第8話

………一体、あの少年は
俺に何が言いたかったんだろうか。




匂いが………似ている………?




いや………まさかな………。
これは単なる俺の考えすぎだ……。



大和は一人っ子だし、佳奈も再婚を
したような形跡は全くなかった。
そんな余裕があるとは思えない…。




佐伯「さて、と。じゃあわたしは帰って編集にあたるわね。ミルクくん、お疲れ様。じゃあね。」



佐伯と呼ばれた女性は
大きな封筒を抱えながら
喫茶店を後にした。



まあ……何にせよ、俺には
関係のない話だな。
そろそろ行くとするか…。



隼「!!………いっちゃうだよ………いっちゃうだよう!!」



俺が席を立ち、入り口で
会計を済ませ、立ち去ろうとすると
隼と呼ばれていた少年が
また……騒ぎ出していた。