第9話

ミルク「こ、こらっ。隼っ。今日は一体どうしちゃったんだよ?なんか落ち着きがないな……。」



隼「あのおとこのひとさ、おいかけるだよー!いっちゃうだよーっ!!はやくだよーっ!」



先程、ご迷惑をかけた男性が
自動ドアをくぐり抜けて外に向かった。
それを指差して、隼はそう答える。



ミルク「ち、ちょっ……隼っ!ま、待てってばっ!」



隼に連れられて、オレは『あの人』を
追いかける羽目になってしまった。



駅前通りは、人波で溢れ返っている。
こんなに人が居ちゃ、見つけるものも
見つけることなんて………。



隼「…………!こっちだよー!こっちさ、いっただよー!」



隼がオレの服の裾を掴みながら
こっちに向かうように促す。
その目は……真剣そのものだった。



ミルク「………わかったよ。こっちだな?」



隼「んだっ!まちげえねえだー!」



隼は、迷うことなく頷いた。
もしかして………先程の男性って……。