ミルク「す、すいませーん!ち、ちょっと待ってくださーい!」
後方から、誰かの叫び声が聞こえる。
俺は思わず足を止めて振り返った。
匠「君は……先程の…。」
先程、喫茶店で会った若い男性と
あの小さな少年が俺の前に立っていた。
若い男性は苦しそうにハアハアと
息を切らしていた。
隼「やっと、つかまえただよー!」
一方、小さな少年は
息一つ切らしてはいない。
まだ小さいのによっぽど
体力があるのだろうか……?
匠「……俺に何か?」
すると小さな少年は
俺の顔を見てこう言った。
隼「おめさ、『やまとさ』とおんなじー!!におい、いっしょだべー!いっしょだよー。!」
やまとさ………?
まさか……大和なのか………!?
ミルク「………も、もしかして………あなたは………。」
ミルクと呼ばれていた男性は
呼吸を整えると、ゆっくりと
顔を上げて俺を見つめた。
匠「……本当に………大和なのか………?母さんの名前…………言ってみてくれないか………?」
半信半疑ではあったが
俺は敢えてそう聞いてみた。
ミルク「母さんの名前は…………『佳奈』です。津島………佳奈………。」
それを聞いた瞬間
俺は間違いないと確信出来た。
津島は………佳奈の旧姓だ………!!