第11話

匠「大きく…………なったな。大和………。」



大和「あなたが………オレの父さん………。」



オレは目の前にいる
男性……いや、『父さん』を
まじまじと見つめた。



隼「よかっただなー!やまとー!」



隼は嬉しそうな顔で
オレの手を握りしめてきた。



匠「まさか………会えるとはな……。」



大和「オレも………おんなじ気持ちです。」



目の前に居るのは、間違いなく
逞しく成長した、我が息子だ。
しかし………俺には気になっていた
ことが一つだけあった。



隼「??………どしただかー?やまとさのおっとうー?」



そう……。この少年のことだ。
一体、この少年は誰なのだろうか?



匠「………大和。この子は…一体、誰なんだい……?」



俺がそう聞くと、何故か大和の顔つきが
鋭く引き締まったような気がした。



大和「この子は…隼。オレにとって、かけがえのない存在……。隼のことを話してもいいけど………何を聞いても、驚かない?父さん……今のオレが居られるのも…隼が居てくれるからなんだ……。」



隼「やまとさ………。」



大和は、隼と呼ばれた
少年の顔を、目を逸らすことなく
真っ直ぐに見ていた



隼と呼ばれた少年も
大和の顔を、目を逸らすことなく
真っ直ぐに見つめていた……。



そして、俺自身は…………。
『全て』を受け入れる覚悟を
決めざるを得なかった。



一つの答えしか…なかったからだ。