匠「大きく…………なったな。大和………。」
大和「あなたが………オレの父さん………。」
オレは目の前にいる
男性……いや、『父さん』を
まじまじと見つめた。
隼「よかっただなー!やまとー!」
隼は嬉しそうな顔で
オレの手を握りしめてきた。
匠「まさか………会えるとはな……。」
大和「オレも………おんなじ気持ちです。」
目の前に居るのは、間違いなく
逞しく成長した、我が息子だ。
しかし………俺には気になっていた
ことが一つだけあった。
隼「??………どしただかー?やまとさのおっとうー?」
そう……。この少年のことだ。
一体、この少年は誰なのだろうか?
匠「………大和。この子は…一体、誰なんだい……?」
俺がそう聞くと、何故か大和の顔つきが
鋭く引き締まったような気がした。
大和「この子は…隼。オレにとって、かけがえのない存在……。隼のことを話してもいいけど………何を聞いても、驚かない?父さん……今のオレが居られるのも…隼が居てくれるからなんだ……。」
隼「やまとさ………。」
大和は、隼と呼ばれた
少年の顔を、目を逸らすことなく
真っ直ぐに見ていた
隼と呼ばれた少年も
大和の顔を、目を逸らすことなく
真っ直ぐに見つめていた……。
そして、俺自身は…………。
『全て』を受け入れる覚悟を
決めざるを得なかった。
一つの答えしか…なかったからだ。