……俺は、三人組の話に
ずっと耳を傾けていた。
聞くつもりなど更々なかったが
どうしても何かが引っかかったような
気がしてならなかったのだ。
前から知っているような気が…する。
隼「おら、べんじょさ、いってくるだー。」
あの変わった格好の少年が
俺の前をサラリと通り過ぎていく。
隼「………んだ!?」
すると突然、少年が
振り向いて動きを止めた。
俺の顔をジロジロと覗き込んでくる。
匠「………何だい、坊や?」
隼「おめさ……においさ………にてるだよ………。」
…匂い?一体この子は
何のことを言っているんだ?
ミルク「……!?お、おいっ、隼っ。何やってんだよ。す、すみません。」
『ミルク先生』と呼ばれていた
若い男性が慌てて
こちら側に向かって来た。
隼「にてるだ………にてるだよう!」
ミルク「どうしたんだよ、隼っ。落ち着けってば。何が似てるんだよ?……ほら、先にトイレに行ってこいってば。…お騒がせしてすみませんでした。」
興奮していた少年を連れて
若い男性はそう言いながら
俺の前から離れていった。